
医師としてのキャリアは、勤務環境や時代の流れによって大きく左右されます。
特に地方勤務では、医局との関係や働き方の選択肢が、都市部とはまったく異なる現実があります。
たとえば地方では、
- 「医局人事でどこに飛ばされるかわからないから、家を建てられない…」
- 「来年の勤務先はどこだろう。給料が良ければいいけど…」
といった声をよく耳にします。
自分の意思では決められない人事──そのカギを握っているのが医局です。
「医局をやめたい…」
これは、多くの医師が一度は胸の内でつぶやいたことがある言葉ではないでしょうか。
しかし、辞めた後のキャリアや生活への影響を考えると、なかなか踏み出せない。
そんな現実があります。
私も同じように悩んでいる一人です。
ただ、医局にずっと依存し続けるわけにはいかない──そう強く感じています。
この記事では、同じ悩みを抱える私たちが「今からできること」をお伝えしていきます。
地方医師と医局の関係
都心部とは違い、地方の医師は多くが医局への入局を考えます。
その理由はさまざまです。
- 多くの期間病院が大学の派遣で成り立っている
- 新専門医制度では大学入局がメリットにつながることが多い
- 先輩医師や病院文化として「入局が当たり前」という空気
こうした背景が、医局と地方医師との関係を強く結びつけています。
昔の医局は“絶対的な存在”だった
今から何十年も前、大学卒業者のほとんどが医局に入局していました。
当時は医局の力が非常に強く、「この病院に行きなさい」と言われれば、
それに逆らうことはまるで“打首に匹敵する”と言われるほどのタブー。
しかし現在では、状況が少しずつ変わっています。
今の医局は“選ばれる側”に
近年は、医局も入局希望者を必死で勧誘する時代になりました。
「新入局員に優しい医局」に人が集まる傾向があり、
かつてのような絶対的な力関係は弱まってきています。
それでも、医局の力は依然として強いのが現実。
特に大学在籍期間が長い医師ほど、視野が狭くなり、
将来の選択肢を持てていないことも少なくありません。
私が感じる葛藤
どんなに薄給でも、医局のため、自分のためと言って
身を粉にして働く先生を何人も知っています。
そのような先生を私は心から尊敬しています。
しかし一方で、私は「自分にはできない」と思ってしまいます。
理由はきっと、私が女性であり、子持ちだから。
子供が大きくなるにつれてその気持ちは強くなりました・・・
医局や立場よりも、家族がずっと大事だと感じてしまうからです。
私は、「医局が全ての道」だとは思いたくありません。
他にも道があるはずだと信じたいのです。
変わりゆく時代に備える
時代は変わります。
医局の力も、教授が変わればそのカラーが一変することもあります。
だからこそ、個々で準備しておくことが大切です。
そのためには、
- 視野を広く持つこと
- 選択肢はたくさんあると知ること
これらが非常に重要だと考えています。
まずは“その道のプロ”に会ってみる
自分の将来を考える上で、実際に話を聞くことは大きな一歩です。
- 医師免許を活かした働き方にはどんな選択肢があるのか?
- 医師免許を使わなかったら、自分の給料はいくらになるのか?
こうした漠然とした事実も、きちんと理解しておくべきです。
キャリアの選択肢を知ることは、自分を守ること
私自身、「もっと早く知っておけばよかった」と感じることが多々あります。
目の前の仕事や立場を守ることも大事ですが、自分や家族の未来を守るために“情報”は武器になります。
たとえば、私は
- 医師免許を使わない働き方にどんな選択肢があるのかを知りたくて、大手転職サイトの JACリクルートメント に相談したことがあります。
- 逆に、医師として働き続ける場合にどのような職場があるのかを知るために、m3キャリア や 民間医局にも相談しました。
こうしたサービスは、単なる求人紹介ではなく、
「現状を整理して、将来の選択肢を見える化する」ための相談窓口として使えます。
売り込みを受ける必要はなく、情報収集だけでも十分価値があります。
それぞれの相談体験や具体的な内容は、別記事で詳しくご紹介しています。
まとめ
医師としてのキャリアプランは、環境や時代の変化によって大きく左右されます。
医局に入る/入らないという二択だけでなく、
自分の人生に合った選択肢を持てるよう、
今から視野を広げておくことが大切です。
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